令和5年度 弁理士短答式試験(特許 問1)

三鷹深大寺特許事務所

 

【特許・実用新案】問1

 

  特許法に規定する拒絶査定不服審判又は特許法第 162 条に規定する審査(いわゆる前置審査)に関し、次の()()のうち、正しいものは、いくつあるか。

 

 

 

(イ) 拒絶査定不服審判の請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した図面についてのみ補正があった。当該補正が軽微なものである場合、特許庁長官は、審査官にその請求を審査させないものとすることができる。

 

 

 

× そのような規定はない。補正が軽微であるか否かの境界は審査してみないとわからない場合も多い。その判断を審査官に委ねることで、少しでも審判官の負担を軽減させることが、前置審査の制度趣旨に整合している。

 

 

 

() 拒絶査定不服審判の請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した図面についてのみ補正があった。当該補正が、特許法第 17 条の2第3項に規定する要件(いわゆる新規事項の追加の禁止)を満たしていないことが明らかな場合、特許庁長官は、審査官にその請求を審査させないものとすることができる。

 

 

 

× 同上の理由による。

 

 

 

() 拒絶査定不服審判の請求と同時にその請求に係る特許出願の願書に添付した特許請求の範囲について補正があった。この場合、特許庁長官は、拒絶をすべき旨の査定をした審査官にその請求を審査させなければならない。

 

 

 

×  趣旨としては、拒絶査定した審査官に審査させるが、条文上は単に「審査官」としている。これは、拒絶査定した審査官が退官や転職等により不在な場合は、他の審査官に対応させることがあることによる。

 

「特許庁長官は・・・補正があつたときは、審査官にその請求を審査させなければならない。」(特162条)

 

 

 

() 拒絶査定不服審判の請求人は、前置審査をする審査官について審査の公正を妨げるべき事情があるときは、これを忌避することができる。

 

 

 

× 忌避は審判官に対して適用されるが、審査官に対しての適用はない。

 

 

 

() 2以上の発明を包含する特許出願Aについての拒絶査定不服審判の請求時に、特許法第 44 条(特許出願の分割)第1項の規定により、特許出願Aの一部を新たな特許出願Bとした場合において、特許出願Bの審査において必要があると認めるときは、特許出願Aについての拒絶査定不服審判の審決が確定するまで、特許出願Bの手続を中止することができる。

 

 

 

○ 条文のとおり。

 

「審査において必要があると認めるときは、特許異議の申立てについての決定若しくは審決が確定し、又は訴訟手続が完結するまでその手続を中止することができる。」(特541項)

 

 

 

1  1

 

2  2

 

3  3

 

4  4

 

5  なし

 

  

問1の回答 1 OK