三鷹深大寺特許事務所
◆ スタートアップ企業を対象とした知財権入手に規制緩和の方向(2024.8.17)
2024年8月13日の日経1面に、「知財、新興企業の活用後押し 自社株と交換しやすく」と題した記事が掲載されました。
1.本記事の要点は以下のとおりです。
・大学や大企業には、活用されない特許(いわゆる、休眠特許)が多数存在する。
・スタートアップ企業は、これら休眠特許を活用する担い手として期待される。
・しかしながら、スタートアップ企業は一般的に資金力に乏しいため、休眠特許を入手できない。
・そこで、これまでもスタートアップ企業の持つ自社株と特許を交換する制度はあったが、自社株の価値評価が難しいため、裁判所が選任する検査役による自社株の価値評価を受ける必要があった。これは煩雑な手続きを伴うため、同制度はほとんど機能していなかった。
・このため、当該実態を鑑み、規制緩和する方向で、法務省が協議を進めることとなった。
2.思うところ
スタートアップ企業の株価評価は難しいため、これまでは制度規制が存在していたものを、緩和するための協議であり、日本の技術力向上に重きが置かれたものと云えます。世界的にみた場合、近年の日本の技術力の低下は明らかであり、中小企業の活躍は必要不可欠です。そのために有効な規制緩和となることが期待されます。
なお、スタートアップ企業の株価評価が難しいのと同様に、特許権の価値評価も容易ではありません。この点、弊所所長弁理士は、日本弁理士会知的財産経営センター主催の知財価値評価スキル研修プログラムを修了しております。(2024.8.17)