令和5年度 弁理士短答式試験(特許 問9)

三鷹深大寺特許事務所

 令和5年度 弁理士短答式試験(特許 問9)

 

【特許・実用新案】問9

  出願についての優先権に関し、次の()()のうち、正しいものの組合せは、どれか。

 

() 特許出願Bを先の出願として国内優先権の主張を伴う特許出願Aをした場合、優先権の主張の基礎とされた特許出願Bは特許出願Bの出願の日から所定の期間を経過した時に取り下げられたものとみなされる。ただし、特許出願Aの出願の際に、先の特許出願Bが、放棄され、取り下げられ、若しくは却下されている場合、先の特許出願Bについて査定若しくは審決が確定している場合又は先の特許出願Bに基づく全ての優先権の主張が取り下げられている場合には、取り下げられたものとはみなされない。

 

○ 条文のとおり(特42条)。

 

() 特許を受けようとする者が、その国際特許出願に係る発明について、その者が特許を受ける権利を有する特許出願であって先にされたもの(以下「先の出願」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(先の出願が外国語書面出願である場合にあっては、外国語書面)に記載された発明に基づいて優先権を主張することができるのは、先の出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その国際特許出願の際に、その承諾を得ている場合に限られる。

 

× 国内優先権主張出願時は仮専用実施権者の承諾が必要(特411項ただし書き)。しかしながら、国際特許出願においては、仮専用実施権者の承諾は不要(特184条の151項)。これは、PCT出願に関しては、PCT規則に則ることによる。PCT規則では仮専用実施権者の承諾の要否については規定されていない。

 

() 国内優先権の主張を伴う特許出願の出願人がその優先権の主張を取り下げることができる期間は、優先権主張を伴う特許出願が国際特許出願であるか否かにかかわらず、経済産業省令で定める期間に限られる。

 

× 国内優先権主張出願における優先権の主張を取下げることができる期間は、先の出願の日から経済産業省令で定める期間内のみ(特422項)。国際特許出願においては、この規定は適用されていない(特184条の151項)。これは、PCT出願に関しては、PCT規則に則ることによる。PCT規則では優先日から30月を経過するまでは取下可能。なお、優先権主張の基礎とされた特許出願は、日本国特許法に則るので、出願の日から経済産業省令で定める期間を経過した時に取下げられたものとみなされる。このため、先の出願がみなし取下げ後に、PCT出願の優先権主張を取下げた場合、当該先の出願は復活しないので、注意が必要。

 

() 国内優先権の主張の基礎とされた先の出願について、出願審査の請求をすることができる場合がある。

 

○ 例えば、先の出願についての査定が確定している場合は、先の出願はみなし取下げとならない(特421項)。査定が確定しているということは、審査請求がされたということ。

 

() 特許出願をする場合において、世界貿易機関の加盟国においてした出願に基づく優先権は、日本国民又はパリ条約の同盟国の国民(パリ条約第3条の規定により同盟国の国民とみなされる者を含む。)のみが主張することができる。

 

× 設問の国民に加え、世界貿易機関の加盟国の国民も優先権を主張できる(特43条の31項)。

 

 

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