令和5年度 弁理士短答式試験(特許 問8)

三鷹深大寺特許事務所

 令和5年度 弁理士短答式試験(特許 問8)

 

【特許・実用新案】問8

 

  特許法に規定する拒絶査定不服審判又は特許法第 162 条に規定する審査(いわゆる前置審査)に関し、次のうち、正しいものは、どれか。

 

1 審査において、特許法第 29 条第2項(いわゆる進歩性)の規定による拒絶をすべき旨の査定がされ、その後の前置審査において、審査官は査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した。この場合、審査官は上記の異なる拒絶の理由を出願人に通知することなく、その審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない。

 

× 審査官は特許査定する場合を除き、審査の結果を特許庁長官に報告しなければならない(特164条3項)。拒絶査定の理由と異なる拒絶の理由が発見された場合も同様である。

 

2 審査官は、前置審査において、拒絶の理由を発見しないときは、特許をすべき旨の審決をしなければならず、当該審決において、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。

 

× 前置審査においてなされる特許とすべき旨の査定等は、審決ではなく、審査官によるもの。

 「審査官は、第百六十二条の規定による審査において特許をすべき旨の査定をするときは、審判の請求に係る拒絶をすべき旨の査定を取り消さなければならない。」(特164条1項)

 

3 審判官は、拒絶査定不服審判の請求と同時にされた願書に添付した特許請求の範囲の補正について、当該補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、当該補正後の特許請求の範囲に記載される事項により特定される発明とが、特許法第 37 条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものとならないと特許をすべき旨の審決の謄本の送達前に認めた場合、決定をもってその補正を却下しなければならない。

 

○ 単一性違反は不適法な手続にあたるため、決定をもって却下される(特159条1項で準用する特53条で準用する特17条の2第4項)。

 

4 特許法第 50 条の2(既に通知された拒絶理由と同一である旨の通知)の規定は、前置審査には準用されない。

 

× 特163条2項。審判の請求に掛かる査定の理由と異なる拒絶の理由を発見した場合に、特50条及び特50条の2の規定は準用される。

 

5 拒絶査定不服審判の請求後に拒絶理由の通知を受けた場合、特許請求の範囲についてする補正には、特許法第 17 条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするものに限られるという補正の制限が課されることはない。

 

× 特159条1項で準用する特53条の規定。なお、特53条では、特17条の2第3項から第6項までの規定に違反している場合、決定をもってその補正が却下されることが規定されている。

 

 

問8の回答   3  OK

 

                                  

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